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繊維の種類と生活を支える製品 ータクティカルギアを構成する繊維その1ー

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ほとんどのタクティカルギアは、大部分が布で出来ています。その布は糸から、糸は繊維からなっています。普段着る衣類もほとんどが繊維から出来ていて、最近はタクティカルギアにしても衣類にしても、製品のタグを見てみると綿やポリエステル、ナイロン、ポリウレタンなど、いろいろな材料が書かれています。馴染みのあるものからないものまで様々ですが、これらはみんな繊維です。

普段何気なく接する繊維であるからこそ、どのようなものがあって、どう違うのかなど気になるところでもあります。そこで、今回は繊維には何で、何があって、どのように使われているのかについて見ていきたいと思います。

一部樹脂を除いてほとんどが繊維から出来ています。

繊維=糸、織物などの構成単位で、太さに比べて十分な長さをもつ、細くてたわみやすいもの

繊維は、工業的な意味で、「糸、織物などの構成単位で、太さに比べて十分な長さをもつ、細くてたわみやすいもの」とJIS(日本工業規格)で定められています。「十分な長さ」とは、その直径に対して100倍以上の長さのものを通常指します。そのため、ガラスや金属も繊維となりえ、私たちのDNAもまた繊維なのです。

大別すると、天然繊維と化学繊維

繊維には大きく分けて、天然繊維と化学繊維があります。

天然繊維は、自然の植物や動物から得ることのできる繊維で、古くから使われてきた繊維です。天然繊維には、植物繊維と動物繊維、鉱物繊維があります。植物繊維では、「綿」がTシャツで、「麻」が夏服などでよく使われていて、馴染み深いかと思います。動物繊維では、スーツやコートで「ウール」が、肌着やハンカチなど「シルク」が使われているのを見かけることがあります。

化学繊維は、化学的に人によって作られた繊維を言います。私たちの着る服でよく見かける「ナイロン」や「ポリエステル」、「ビニロン」は化学繊維に分類されます。その他、再生繊維の「レーヨン」や「キュプラ」、半合成繊維の「アセテート」、無機繊維の「ガラス繊維」や「炭素繊維」、「金属繊維」があります。約130年前にフランスで、セルロースからレーヨンが始めの化学繊維(再生繊維)として作り出されたと言われます。その後、ポリマーを原料として合成されたナイロン(合成繊維)が作られました。

糸には、繊維を束ねたフィラメントと撚って束ねたステープル

繊維は、布にするためや縫製をするために、束にして「糸」にします。絹のような長く連続した繊維(フィラメント)は、束にすることで糸になりますが、綿や羊の毛のような短い長さで切れている繊維(ステープル)はバラバラになるため、紡績して「糸」にします。紡績とは、短い長さの繊維の塊になった繊維をほぐし、繊維を並べて、撚って束ねて糸にすることです。

化学繊維は、フィラメントにもステープルにもなります。そのため、ナイロンやポリエステルなど同じ繊維でも、服の布や縫製に使う糸、防寒着の中綿など多様な用途で活躍しています。面白いものでは、ナイロンはその特徴から釣り糸や車のエアバッグにも使われています。

生活を豊かにする繊維

ここまで、繊維には多くの種類があることをご覧いただけたと思います。今回挙げていない繊維も含めると、さらに種類は増えることになります。また繊維だけでも機能性が異なりますが、糸の作り方によっても機能性が変わります。繊維の持つ機能を活かして、身の回りの服やカバンなどの製品は私たちの生活を豊かにしているのです。

MIRAI TACTICAL WORKSでは、パラシュートのコードや釣り糸、エアバッグなどに使われるほどのナイロン糸の強度を活かして、装具やバッグを作ろうということで、私たちはナイロン糸で縫製をしています。今後の回では、天然繊維や化学繊維の種類や機能について詳しくご紹介していきます。

MIRAI TACTICAL WORKS では、A&E社製Nylon66 Bond糸を使用しています。